case study病例集

【猫(ミヌエット)の皮膚糸状菌症】

猫(ミヌエット)の皮膚糸状菌症

2022.12.5
Before
; After

【症例】

ミヌエット、1歳齢、去勢オス

【症状・経過】

当院受診の3ヶ月前から顔や耳にフケが出てくるようになった。痒みはあまりない。
かかりつけではステロイドや免疫抑制剤を使用して治療を行ったが、どんどん悪化してきている。

写真では目の上と耳に大量のフケが付着しています。よく見るとお腹にも円形の湿疹が出ているのがわかります。

【診断】

皮膚糸状菌症

【治療】

今回のように若齢の猫で痒みが強くない皮膚病変を見たら、真っ先に検査を行わないといけないのが「皮膚糸状菌症」です。理由としては、非常に感染力が強く人にもうつる上、室内の環境中に落ちても長期間の生存が可能だからです。

皮膚糸状菌には複数の種類がいますが、猫に感染するタイプの糸状菌のほとんどが「ウッド灯」というブラックライトに反応して、綺麗なアップルグリーン色に発色します。
そのため、まずは気になる場所にライトを当てて、光るかどうかの判定を行います。
今回の症例の検査の写真です。

暗い部屋で見るので写真が暗くなってしまっていますが、綺麗な色に発光しているのがわかりますね。この光っているところにカビがいることを示しています。この発光しているところから毛を採取し、顕微鏡で確認して最終的に診断をしています。

今回は顕微鏡でも毛に対してカビの感染が認められたため、カビの治療を開始しました。
投薬開始後、3ヶ月でカビはいなくなり治療終了となりましたが、カビの治療は最後に検査を行い陰性の判定が出てから4週間は継続したほうがいいと言われています。それだけ環境中に残っていると再感染を起こしてしまうリスクが高いということですね。

当院では皮膚糸状菌症だけでなく、年間数百症例にのぼる様々な皮膚疾患を診察、診断しています。そのため、通常の治療で良くならない皮膚病でも違った角度から治療プランを立て直すこともできますので、慢性的なわんちゃん、猫ちゃんの皮膚病でお困りの飼い主様は、一度ご相談いただければと思います。

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