flowよくある皮膚病について

犬ニキビダニ症ってどんな病気?

Treatment for skin disease

毛穴の中で生活しているニキビダニという寄生虫がなんらかの原因で増殖し、炎症を起こす病気です。症状は痒みが出ることと、皮膚が赤くなったり毛穴が黒ずんできて目立つようになったりします。

かかりやすい犬種

皮膚の免疫機能に依存するため、特に発症しやすい犬種は知られていません。

ニキビダニ症になる原因

ニキビダニは生後48〜72時間ほどで母犬から移行し、健常な犬でも皮膚の上に存在しています。ニキビダニが増殖する背景として、若い犬の場合は十分な皮膚免疫力がないことが挙げられます。また、高齢犬での発症の場合は内分泌疾患や腫瘍性疾患など皮膚免疫力を低下させる基礎疾患の存在を考える必要があります。

  • ニキビダニ症の検査方法

    ニキビダニは毛穴に生息しているため、毛を抜いて観察することでニキビダニを検出することができます。また、皮膚掻爬検査といって皮膚を引っ掻いて角質を採取し、その中にいるニキビダニを探すことでも調べることが可能です。2016年にはセロハンテープを皮膚に押し当てる方法でも毛の検査や皮膚掻爬検査と同程度の検出率があると報告されました。

  • ニキビダニ症の治療方法

    近年まではイベルメクチンやミルベマイシンといったフィラリア予防薬にも使用される薬剤がニキビダニ治療のメインとなっていました。現在では、イソオキサゾリン系と言われるノミマダニ駆虫薬がニキビダニにも非常に高い駆虫効果を示すことが証明されたため、多くの場合でこちらの薬剤が治療に使用されるようになってきています。

症例集

  1. 01

    雑種犬

    1歳

    去勢オス

    ・症状

    全身の赤みと非常に強い痒みが見られた。アレルギーを疑われステロイド剤が使用されていたが、皮膚科検査を行ったところ大量のニキビダニが検出された。駆虫薬に切り替えたところ、1ヶ月で症状は軽快した。

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  2. 02

    トイプードル

    10歳

    去勢オス

    ・症状

    体の数箇所に黒っぽいカサブタを伴う脱毛が見られた。皮膚科検査でニキビダニが大量に検出されたため、駆虫薬にて治療を行った。高齢からニキビダニ症を発症したため、全身の精査を実施したところ、基礎疾患として甲状腺機能低下症を発見できた。

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