category of skin disease犬種・猫種別皮膚病について

ポメラニアンの皮膚病

Skin disease by breed

ポメラニアンは、その起源を北方犬種に持ち、小型化された犬種とされています。この魅力的な犬種は、活発で好奇心旺盛な性格を持ち、飼い主に愛されています。用心深さも特徴であり、大型犬に対しても勇敢に吠え立てることがあります。ポメラニアンには、鼻が短いタヌキ顔タイプと鼻が長いキツネ顔タイプが存在し、キツネ顔タイプの方が先祖であるスピッツの特徴をより色濃く残しています。

ポメラニアンの皮膚の特徴

ポメラニアンの皮膚の特徴として、背中に向けて丸まったしっぽと、厚くふわふわのダブルコートが挙げられます。このダブルコートは保温性が高く、寒さに強い性質を持っています。ポメラニアンの被毛は年間を通して抜けるため、週1〜2回のブラッシングで毛並みや皮膚の健康を維持することが重要です。特に、年2回の換毛期には抜け毛が増えるため、こまめなブラッシングで不要な毛を取り除き、皮膚トラブルを防ぐ必要があります。

ポメラニアンによくある皮膚病

  1. 毛周期停止(アロぺシアX、脱毛症X)

    ポメラニアンの皮膚病といえば、これというくらい有名な皮膚病です。ポメラニアン以外ではシベリアンハスキーやトイプードル、パピヨンなどでも発症が確認されています。左右対称性の脱毛を示すことから、体の内部からの影響、特に内分泌疾患の関与が疑われていますが、今のところ明確な原因は特定されていません。

    原因と治療について

    頭部と四肢を除いた体の両側、太ももの裏側、首などに痒みのない脱毛が見られます。脱毛部の皮膚には色素沈着が見られることがあり、残っている毛も光沢がなくなってボサボサした毛になっていきます。ドライスキンや皮膚バリア機能の低下による二次感染を起こすことがあり、それに対応する治療が必要となる場合もあります。現時点で毛周期停止に対する決定的な治療法は発見されていません。これまでに様々な治療法が考案され、治療効果について報告されてきました。一つの治療だけではなく、複数の治療法を組み合わせることで一定の効果が得られることもあります。治療には長い時間が必要になることが多く、発毛が見られるまで数ヶ月から数年かかる場合があります。大事な点として、この毛周期停止という疾患は主な症状は脱毛であり、それ以外の症状がほぼないということがあります。「痒くて寝られない」など本人のQOLを低下させる疾患ではありませんので、脱毛部のバリア機能の回復を目的としてスキンケアを実施するのも治療の一つの選択肢となります。

ポメラニアンの症例集

    • 3歳齢 

      避妊メス
    • ・病名

      毛周期停止

    • ・症状

      他院でホルモン治療やビタミン治療、鍼灸などさまざまな治療を試されたが脱毛の改善がないため、来院。これまでの治療経過から一般的な治療が効果を出しにくいタイプと判断し、皮膚刺激を与える治療を行ったところ、発毛を認めた。

    • Before
      After
    • Before
      After
    • Before
      After

TOP

初診の来院前に必ずご確認ください