flowよくある皮膚病について

甲状腺機能低下症ってどんな病気?

Treatment for skin disease

甲状腺機能低下症は、甲状腺から出るホルモン量が減少することにより皮膚の免疫が低下して感染症に罹りやすくなったり、毛の成長周期に異常をきたし脱毛していく皮膚病です。

かかりやすい犬種

高齢犬、大型犬

甲状腺機能低下症になる原因

甲状腺機能低下症は主に甲状腺が免疫細胞により攻撃され、甲状腺に不可逆的な炎症が起こることにより発症します。また脳の一部から甲状腺に対してホルモン分泌を促すシグナルが出されており、その脳の部分に障害を受けると甲状腺に対するホルモンが出なくなるため、甲状腺機能低下につながることがあります。

  • 甲状腺機能低下症の検査方法

    甲状腺機能低下症の検査・診断には、まず臨床症状が重要です。体の左右対称性の脱毛、尾の脱毛、体重の増加、運動量の減少などが見られるようになります。毛検査 甲状腺機能低下症の症例では毛を抜くと毛根の形が「休止期毛」と言われる細くなった形になっていることが多く、毛の成長周期に影響を与える疾患が存在していると考えることができます。 血液検査 血中の甲状腺に関連するホルモンであるT4、FT4、TSHを測定することで甲状腺機能の低下があるかどうかを確認することができます。甲状腺ホルモンの減少に関連する変化として、貧血、肝酵素値の増加、コレステロールの増加などが見られることがあります。 超音波検査 甲状腺機能低下症の甲状腺は、超音波検査では色が変化して見えたり、サイズが小さくなって見えます。

  • 甲状腺機能低下症の治療方法

    甲状腺機能低下症の治療はまず体内の足りていない甲状腺ホルモンを内服によって補充してあげることが重要です。大型犬は小型犬と比べ、体重当たりの量が少なめでも治療に反応することが多いと言われています。一度、症状が安定した場合は、3〜4ヶ月に1回の血液モニタリングが必要です。

症例集

  1. 01

    ポメラニアン

    6歳

    去勢オス

    ・症状

    他院にて毛周期停止を疑われ、サプリメントにて治療を行ったが改善しないため、ご相談に来られた。検査の結果から甲状腺機能低下症が疑われたため、ホルモン治療を行ったところ、3ヶ月目には発毛が認められた。

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  2. 02

    ラブラドールレトリバー

    11歳

    避妊メス

    ・症状

    9歳ごろから急に皮膚のベタつきや痒み、大量のフケが出るようになった。高齢発症とのことで検査を行ったところ、甲状腺機能低下症が発見された。ホルモンの補充に加え、スキンケアを行うことで発毛が見られるようになった。

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