category of skin disease犬種・猫種別皮膚病について
フレンチブルドッグの皮膚病
Skin disease by breed
フレンチ・ブルドッグは19世紀にイギリスからフランスに渡ったブルドッグと、地元の犬種と交配されることで誕生した犬種です。その愛らしいルックスと、コウモリのような大きな立ち耳「バット・イヤー」が特徴的です。フレンチ・ブルドッグは明るく社交的な性格で、好奇心旺盛で知られており、飼い主に甘えることが大好きです。その一方で、一人ぼっちを嫌う傾向があり、不安を感じると手足の先を舐めることがあります。 フレンチブルドッグは小型犬種ではありますが、筋肉質であるため、適切な栄養管理が重要です。犬の成長や健康に適した食事を与え、肥満や栄養不足を避けることが大切です。また、遺伝的に関節や背中のトラブルを抱えることがあるため、定期的な健康チェックが必要です。
フレンチ・ブルドッグの皮膚の特徴
フレンチブルドッグの皮膚は、顔やしっぽ周りに深い皺が特徴です。この皺の部分には皮脂や汚れが溜まりやすく、細菌の増殖を招くことがあります。そのため、こまめなスキンケアが必要で、皺の部分を清潔に保つことが大切です。また、皮膚トラブルを予防するために、皮膚の乾燥にも注意が必要です。 フレンチブルドッグの毛は、硬く短い一次毛と、柔らかく抜けやすい二次毛で構成されるダブルコートです。毛は非常に抜けやすいため、カットは不要ですが、定期的なブラッシングやシャンプーが推奨されます。適切なケアを行うことで、抜け毛の量を減らすことができ、皮膚トラブルを予防することが可能です
フレンチブルドッグによくある皮膚病
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膿皮症
膿皮症は皮膚の常在するブドウ球菌が増殖して、皮膚に炎症を起こす皮膚の感染症です。皮膚のバリア機能が低下しやすいアレルギー体質の犬種では、感染を繰り返しやすくなります。また夏季にはわんちゃんたちも汗をかきます。汗をかくと皮膚の表面のpHはアルカリ性に傾きますが、皮膚の性質がアルカリ性の状況はブドウ球菌にとって増殖しやすい環境といえます。皮膚のpHを上げないようにケアすることも大事なポイントです。
原因と治療について
膿皮症の原因はブドウ球菌の増殖ですから、いかに菌を増やさないようにするかが治療のポイントです。 いったん、増えてしまったブドウ球菌を減らすには抗生剤による治療や薬浴が効果的です。これらの治療を行い、感染がおさまった後は皮膚のバリア機能を向上させ、簡単にブドウ球菌が増えない環境づくりをしていくことになります。具体的には、定期的なシャンプーや毎日のスキンケア、フードや乳酸菌などのサプリメントによる腸免疫の強化などがあります。
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犬アトピー性皮膚炎
犬アトピー性皮膚炎は全身の痒みを特徴とするアレルギー性の皮膚病です。眼、口、耳、首、脇、腹部、四肢など様々な場所に症状が出ます。反応するアレルゲンは、ハウスダストマイトや花粉、雑草、節足動物など様々です。これらのアレルゲンに対する免疫の過剰反応がアトピー性皮膚炎の症状である皮膚の赤みや痒みにつながります。
原因と治療について
犬アトピー性皮膚炎はもともとの体質が発症と深く関係しているため、生涯にわたるケアが必要となります。治療のメインとなるのは、服やブラッシングによるアレルゲンの回避・除去、痒みを抑える炎症コントロール、二次感染の予防・治療、スキンケアによる皮膚バリア機能の回復・改善です。これらを全てできるのが理想なのですが、とても大変です。どこまで突っ込んだ治療をするかは飼い主様の状況やわんちゃんの性格を加味しつつ、決定する必要があります。
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心因性脱毛症
心因性脱毛症はストレスなどが原因となり、舐め壊しや掻き壊しが起こる皮膚病です。フレンチブルドッグのほか、柴犬などの神経質な犬種でも見られることがあります。
原因と治療について
心因性脱毛症の原因は大きく分けて、2つあります。精神因と身体因です。精神因は同居の家族との関わり方や1人でお留守番しているときの暇な時間など、いわゆるストレスと言われるものです。これの治療には、ストレスの原因となっているものを探して環境を改善したり、飲み薬やサプリメントを使って心の不安を緩和させてあげることもあります。 一方で身体因は、膀胱炎を持つ猫がお腹を舐めてしまう、膝蓋骨脱臼を持つ犬が膝を舐めてしまうなど身体的な異常のことです。それによって痒みがあるかのように舐めたり、掻いたりしてしまいます。痒みのある部位からこちらが疑われる場合は、まず体の異常がないかを調べていくことが必要です。その上で原因にアプローチする治療を行います。
フレンチブルドッグの症例集
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10歳齢
避妊メス -
・病名
膿皮症
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・症状
数年前から膿皮症を繰り返しており、その度に抗生剤が使用されていた。当院に来院された時点で多剤耐性菌となっており有効な内服手段がなかったため、薬浴と自宅でのオゾンシャワー温浴を行うことで安定した状態に持っていくことができた。
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BeforeAfter
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BeforeAfter
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BeforeAfter
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4歳齢
去勢オス -
・病名
食物アレルギー
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・症状
全身に重度の痒み、赤み、脱毛があるとの主訴で来院。痒みを起こす皮膚疾患の診断アプローチの中でこれまで食べたことのない成分で製造されている食事に変更したところ、劇的に症状が改善した。
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BeforeAfter
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BeforeAfter
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BeforeAfter
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4歳齢
避妊メス -
・病名
犬アトピー性皮膚炎
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・症状
生後3ヶ月というかなり若い頃から痒みがあった症例。検査の結果、アトピー性皮膚炎と診断。アポキルを内服しながら、シャンプーや保湿剤といったスキンケアを組み合わせることでアポキルの用量や服用回数の減量に成功した。
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BeforeAfter
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BeforeAfter
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BeforeAfter
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