フレンチブルドッグの犬アトピー性皮膚炎
2022.12.5【症例】
フレンチブルドッグ、4歳齢、去勢オス
【症状・経過】
生後3ヶ月ごろから全身性の痒みがあり、季節的(特に夏場)に悪化する傾向が強かった。
年齢を重ねるごとに症状は悪化しており、かかりつけの病院ではステロイドを定期的に処方されていたが、症状が安定することはなかった。初診時は特に痒みがひどく、夜もあまり寝られていないとのことだった。
写真では顔や首、足の先端に赤みや脱毛があり、お腹にも慢性的な皮膚炎の影響で色素沈着が見られています。
【診断】
犬アトピー性皮膚炎
【治療】
皮膚科検査ではブドウ球菌やマラセチアといった皮膚の痒みを悪化させるような微生物の増殖はありませんでした。そのため、痒みのコントロールとして内服薬の変更と、食事の変更による食物アレルギーの診断を同時に進めることとしました。
内服薬の変更とスキンケアの追加により痒みのほとんどを抑え込むことができ、皮膚の症状も改善していきました。
治療開始後、1ヶ月経過した時の写真がこちらです。
顔や手先の脱毛が明らかに改善しているのがわかるかと思います。
この後、食事を元に戻す「食物負荷試験」を実施し、症状の悪化がなかったため、食物アレルギーの関与の可能性が低いことが分かりましたので、皮膚の栄養価(タンパク質や必須脂肪酸)が豊富に入っているフードに切り替えていただきました。
当院ではアトピー性皮膚炎だけでなく、年間数百症例にのぼる様々な皮膚疾患を診察、診断しています。そのため、通常の治療で良くならない皮膚病でも違った角度から治療プランを立て直すこともできますので、慢性的なわんちゃん、猫ちゃんの皮膚病でお困りの飼い主様は、一度ご相談いただければと思います。