case study病例集

【トイプードルの毛周期停止】

トイプードルの毛周期停止

2022.12.4
Before
After

【症例】

トイプードル、10歳齢、去勢オス

【症状・経過】

8歳の春頃から尻尾と後肢の脱毛が目立つようになった。

かかりつけでは甲状腺機能低下症と診断され、ホルモン治療を開始するも改善はなかった。その後、脱毛症に対して複数の治療が試みられるも改善を得た治療はなかった。写真では体全体的に毛が薄くなっており、特にお尻周りと尻尾の毛はほとんどない状態まで脱毛が進んでいた。

【診断】

毛周期停止

【治療】

今回は発症が8歳という高齢ではありましたが、血液検査や画像検査、皮膚病理検査まで実施して総合的に「毛周期停止」と診断しました。
投薬、フードをより栄養価の高いものへ変更、ご自宅で週1回炭酸泉入浴をおこなっていただきました。
この子にあったお薬が見つかるまでに非常に長い時間がかかってしまい、安定して発毛が見られるようになるまで1年10ヶ月の時間がかかりました。
治療開始後、2年経過した頃の写真がこちらです。

毛量の増加だけでなく、毛の色や艶も全く違うわんちゃんではないかと思えるくらい変わりました!

毛周期停止はたくさんの治療法が紹介されていますが、これを使えば絶対生える!という治療は確立されていません。さまざまな治療法を組み合わせてその子にあったものを探していくのですが、一般的に一つの治療を試す期間は3〜6ヶ月ほどかかります。そのため、一つ目の治療で当たればいいですが、今回のように数年かけてようやく毛が生えることも珍しくありません。
毛周期停止はワンちゃんの体調に影響を与える疾患ではないため、すぐに結果を求めず、長い目で治療に取り組んでいただけるといいかと思います。
当院では毛周期停止だけでなく、年間数百症例にのぼる様々な皮膚疾患を診察、診断しています。そのため、通常の治療で良くならない皮膚病でも違った角度から治療プランを立て直すこともできますので、慢性的なわんちゃん、猫ちゃんの皮膚病でお困りの飼い主様は、一度ご相談いただければと思います。

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