ゴールデンレトリバーの再発性膿皮症、毛周期停止
2022.9.11

【症例】
ゴールデンレトリバー、11歳齢、オス
【症状・経過】
膿皮症を繰り返しており、その都度抗生剤が処方されている。徐々に内服薬の効果も落ちてきているように感じる。
写真では全身の毛が薄くなっており、腹部に膿皮症を疑う炎症が見られます。





【診断】
毛周期停止を基礎とする再発性膿皮症
【治療】
今回は再発性膿皮症の原因を追求するため、血液検査やレントゲン検査、超音波検査を用いて、全身の精査を行いました。さらに皮膚の中での変化を確認するために皮膚病理検査まで実施しました。
その結果、最も疑わしいとなったのが「毛周期停止」でした。
治療開始後、10ヶ月経過した時の写真がこちらです。





お腹、首周り、後肢の毛がふわふわに生え揃いました。
また毛がしっかり生えてからは膿皮症の再発も無くなりました。毛が生えてきたことで皮膚表面の環境が改善し、皮膚バリアにいい影響を与えたのではないかと考えています。
当院では毛周期停止だけでなく、年間数百症例にのぼる様々な皮膚疾患を診察、診断しています。そのため、通常の治療で良くならない皮膚病でも違った角度から治療プランを立て直すこともできますので、慢性的なわんちゃん、猫ちゃんの皮膚病でお困りの飼い主様は、一度ご相談いただければと思います。