case study病例集

【トイプードルの肉芽腫性脂腺炎】

トイプードルの肉芽腫性脂腺炎

2022.9.11
Before
After

【症例】

トイプードル、4歳齢、避妊メス

【症状・経過】

背中に大量のフケが出ている。本人はあまり気にしていない様子

写真では背中の皮膚に鱗のようなフケがびっしりと固まっており、毛並みも悪くなっていることがわかります。

【診断】

肉芽腫性脂腺炎

【治療】

今回の症例のようにフケが非常に多く出てしまう状態のことを「角化異常」といいます。角化異常には様々な原因があり、感染や内分泌障害、アレルギー、免疫異常、腫瘍などが挙げられます。
各種検査の結果から感染は除外できました。また血液検査で甲状腺の機能が低下していることがわかったため、甲状腺のホルモン治療を行うこととしました。
甲状腺の治療を開始して数ヶ月が経過しても皮膚症状がよくなる様子がなかったため、皮膚病理検査を実施しました。その結果、「肉芽腫性脂腺炎」との確定診断をつけることができました。
脂腺炎の治療開始後、4ヶ月ほど経過した時の写真がこちらです。

全身の毛並みが改善し、皮膚に張り付いていたフケもほとんど目立たなくなりました。

今回のようにフケが主体となる皮膚病の中には、皮膚の腫瘍や特殊な免疫疾患が関与する場合もあるため、最初に決めた治療方針で治療をしても改善が見られない場合は、早期に皮膚病理検査を行うほうがいいと思います。
当院では肉芽腫性脂腺炎だけでなく、年間数百症例にのぼる様々な皮膚疾患を診察、診断しています。そのため、通常の治療で良くならない皮膚病でも違った角度から治療プランを立て直すこともできますので、慢性的なわんちゃん、猫ちゃんの皮膚病でお困りの飼い主様は、一度ご相談いただければと思います。

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