ミニチュアダックスフンドの脂漏性皮膚炎
2022.12.5
Before
After
【症例】
ミニチュアダックスフンド、10歳齢、去勢オス
【症状・経過】
当院受診の5年ほど前から四肢を中心に痒みが広がり、腹部も舐め壊すようになってしまった。皮膚病の発症当時からステロイドと抗生剤が定期的に処方されており、飲み始めた頃は効果があったように感じていたが、今は飲んでもほとんど痒みは減らなくなった。
写真では目の周り、首、四肢、腹部に脱毛と赤み、フケが出ていることがわかります。また肋骨が浮いており、痩せていることがわかります(ここが結構ポイントです)。






【診断】
脂漏性皮膚炎
【治療】
一般的な皮膚科検査を行ったところ、マラセチアという酵母菌が異常に増殖していることがわかりました。マラセチアは代謝物やマラセチアの菌体が皮膚に対してアレルギー反応を起こすと言われており、数を減らすことで効率的に皮膚の炎症を改善させることができます。ただし、マラセチアは何の原因もなく突然増加することはありません。マラセチアは皮脂を餌にして増殖するので、マラセチアへのケアと同時に過剰な皮脂のコントロールを行う必要があります。
今回は初発年齢や皮膚病変の特徴から「脂漏性皮膚炎」と診断して、治療に入ることにしました。
治療はスキンケアを徹底的に強化しました
・週2回のシャンプー+入浴
・毎日の保湿ケア
・痒みがあるうちはしっかり痒み止めのお薬も併用する
この治療を開始してから3ヶ月経過した頃の姿がこちらです。






症状が改善してからは2週間に1回のシャンプーと飲み薬も週1回の投薬まで減らすことができました。
脂漏性皮膚炎は皮脂の増加とともに悪化する傾向がありますので、皮膚がベタつきやすい夏場にはシャンプーの頻度を増やして調節しています。
当院では犬アトピー性皮膚炎だけでなく、年間数百症例にのぼる様々な皮膚疾患を診察、診断しています。そのため、通常の治療で良くならない皮膚病でも違った角度から治療プランを立て直すこともできますので、慢性的なわんちゃん、猫ちゃんの皮膚病でお困りの飼い主様は、一度ご相談いただければと思います。