case study病例集

【フレンチブルドッグの皮膚石灰沈着症】

フレンチブルドッグの皮膚石灰沈着症

2022.12.5
Before
; After

【症例】

フレンチブルドッグ、8歳齢、オス

【症状・経過】

頭や背中の一部に硬いものができており、痒いのかよく床に擦り付けるようになった。皮膚の症状が出る前から水を飲む量が増えている気がする。

写真では脱毛症のようにも見えますが、触ってみると毛が薄くなっている部分はすべて皮膚がかたくなってしまっています。

【診断】

副腎皮質機能亢進症に起因する皮膚石灰沈着症

【治療】

「皮膚が硬くなっている+水を飲む量が増えた」という主訴はそれだけであれかな?と疾患名が上がってくるくらい、特徴的な症状です。水をよく飲むようになっただけだと、他にもたくさんの可能性のある疾患がありますので、詳しく調べる必要があります。
今回の症例は特徴的な症状があったこと、腹部のエコー検査で両側の副腎が大きくなっていたこと、副腎から出るホルモン濃度を測定したところ高値が出たことから「副腎皮質機能亢進症」と診断しました。
また皮膚が硬くなっていた部分からは皮膚の組織を取らせていただき、皮膚に大量のリン酸カルシウムが付着していることが分かりました。このことから今回の病名は「副腎皮質機能亢進症が起因となった皮膚石灰沈着症」となりました。

皮膚石灰沈着症の治療は特になく、副腎から出るホルモンを抑え込むことで皮膚に付着したカルシウムがゆっくりと剥がれ落ちていきます。カルシウムが剥がれる際に一時的ですが出血し皮膚の症状が悪化したように見えることがありますので、注意が必要です。痒みを伴う場合にはステロイド以外の痒み止めを使ってあげることもあります。

今回のように皮膚の症状から内臓の病気が見つかることも多々あります。それぞれの疾患で特徴的な皮膚の病変を形成することがありますので、それらの特徴を掴んでおくと正確な診断に結び付けられます。

当院では皮膚石灰沈着症だけでなく、年間数百症例にのぼる様々な皮膚疾患を診察、診断しています。そのため、通常の治療で良くならない皮膚病でも違った角度から治療プランを立て直すこともできますので、慢性的なわんちゃん、猫ちゃんの皮膚病でお困りの飼い主様は、一度ご相談いただければと思います。

TOP

初診の来院前に必ずご確認ください